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『源氏香』
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「源氏香」の成立は大体享保年間(1716〜1735)と考えられ、代表的な王朝物語をテーマに据えた熟成された組香です。「源氏香」では、5種の香木が各5包ずつ計25包用意されます。香元(お手前をする人)はこれをうち交ぜて、中から任意の5包をとり、これを順にたきます。香炉が5回まわり、すべての香が終了したあと、香りの異同を記紙(答えを書く紙)に記し、「香の図」を見ながら自分の書いた図と照合し、巻名を書いて答とします。 五本の縦線をまず書き、香を聞いて同じ香りと思われるものを横線でつないでいきます。この五本の線を組み合わせてできる型は52通 りあり、この52通りの図を「源氏物語」五十四巻のうち桐壷と夢浮橋の巻を除いた五十二巻にあてはめているのが「源氏香の図」です。 |
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『盤 物』
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盤物は香席に女性が多く見られるようになった徳川時代の初期から中期にかけて盛んに行われ、17〜18世紀頃の間に様々な組香とともに、贅沢な盤が続々と形成されました。当時は「闘鶏香」「空蝉香」「澪標香」「舞楽香」「相撲香」「蹴鞠香」「源平香」「名所香」「矢数香」「競馬香」など種類も多くありましたが、遊戯的になりすぎたこれら盤物は一時的な流行に終わり、現在では「競馬香」「名所香」「矢数香」の3種類の組香が主に行われています。この3種の組香を興ずるために、ひとつの箱に収められたものを三種香盤とよびます。それらには豪華な蒔絵模様や桑製のもの、用いられる盤や人形、小道具にも繊細かつ贅沢なものもあり、大名などの嫁入り道具のひとつにもなっていました。 |
『競馬香』![]() |
競馬香は、5月5日の端午の節句に催される京都・上賀茂神社の競馬(くらべうま)の行事に由来しており、盤物の組香のうちでも代表的なものです。わが国では馬に関する神事は古くから行われ、この神社の競馬では赤装束、黒装束をつけた2人の男性がそれぞれ馬に乗り、決勝点の青楓の木まで走り抜けます。 競馬香は香の遊戯として写実性に富んでいるばかりでなく、馬場に仮定した盤上の馬や、騎手の人形がつけている王朝風の衣裳を鑑賞する楽しさも持ち合わせています。誰にでも参加でき、見物するだけでも興味が湧いてくることが、当時数多くあった盤物のなかでも、現在まで受け継がれてきた一つの要因になったのでしょう。 |
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