お香の原料

お香の原料として使用される天然香料には数十種類あります。天然のものだけに入手困難なものも少なくありません。東南アジアを中心に中国やインドなどで産出される貴重なものです。 ここでは、代表的なものをご紹介します。


香 木
沈 香 ぢんこう
伽 羅 きゃら
白 檀 びゃくだん

様々な外的要因によって木質部分に樹脂が凝結し、樹木自体が枯れていく過程で熟成されてできる。 東南アジア全域で産出され、薫香料のほか、薬用としても用いられる。

沈香の一種。香気や油質の違いにより沈香と区別 される。古来ベトナムの限られたところから産出される。香道では沈香を六国(伽羅・羅国・真那賀・真南蛮・佐曽羅・寸門多羅)に分類するが、その中で最も品位 の高いのが伽羅とされている。

インド・インドネシア・マレーシアなどで栽培されている。その中でも、インドマイソール地方のものは最高品質で「老山白檀」と称される。薫物だけでなく薬用や工芸品などにも使用される。



草根木皮の香料


桂 皮 けいひ
(シナモン)
大茴香  だいういきょう
(スターアニス)
丁 子 ちょうじ
(クローブ)
シナニッケイ、セイロンニッケイ(クスノキ科)の樹皮を乾燥したもの。 中国南部・ベトナム・スリランカ・インド等で産出する。薫香料やお菓子のフレーバーとして親しまれている。薬用としては芳香性健胃薬・駆風・発汗などの効果 がある。

ダイウイキョウ(シキミ科)の果実を乾燥したもの。八角茴香ともいう。中国南部(広西・広東・雲南・福建省)で産出される。中華料理の香味付けには欠かせない香辛料で、薬用としては健胃・興奮・駆風薬として用いられる。

チョウジノキ(フトモモ科)の花蕾を乾燥したもの。モルッカ諸島・ザンジバル等で産出する。香辛料として広く用いられるほか、薬用として芳香性健胃薬・家庭薬原料としても用いられる。インドネシア産のタバコ『ガラム』のフレーバーに使われている。
     
安息香 あんそくこう 乳 香 にゅうこう 竜 脳 りゅうのう

アンソクコウノキ(エゴノキ科)の幹を傷付け浸出した樹脂。スマトラに最も多く産する。薫香料として用いられるほか、薬用としては古くは吸入薬として刺激・去痰薬にし、 防腐剤などにも利用された。

ニュウコウジュ(カンラン科)の幹から浸出した樹脂。アフリカ東北部・アラビア海沿岸部・ソマリアから産出する。キリスト教の儀式における焚香料としても知られている。薬用としては鎮痛・消炎薬として閉経痛・打ち身などに応用される。

リュウノウジュ(フタバガキ科)の心材の空隙に結晶として析出する。 スマトラ・ボルネオ・マラヤで産出する。薫香料や防虫剤として用いられ、日本のマルコ山古墳からの出土品に含まれていて、その芳香が認められて話題になった。薬用として中国ではこれを高貴薬とし発汗・去痰薬とした。



動 物 性 の 香 料


動物性の香料は、1,000分の1ぐらいに薄めると優雅で官能的な香りがし、香料としても高い価値を持っています。又、香りが発散してしまうのを抑える保香剤としても用いられます。(竜涎香、麝香は動物保護の観点から現在では学術的研究以外には殆ど使われておりません。)

竜涎香  りゅうぜんこう 麝 香 じゃこう 貝 香 かいこう

マッコウクジラから採れアンバーグリスとして古くから珍重されていました。

チベット高原に生息するジャコウ鹿(牡)の香のうより採取します。

螺属(まき貝)の蓋。中国南海、紅海に産し主に保香剤として用いる。現在は南アフリカのモザンビーク産の物も使われています。



香りをつむぐ難しさ、面白さ。 

お香づくりの工程で、最も難しいのが香りの調合です。調合師は、数十種類の原料を幾通 りにも組み合わせながら頭に描いた香りのイメージに合わせ、いくつものサンプルを創るのです。お香に使われる香料は、ほとんどが天然素材。例えば同じ白檀でも、産地や採取時期、気候などさまざまな自然条件によって香りが異なる為、公式通 りに配合しても、いつも同じ香りが生まれるとは限りません。そんなデリケートな素材の個性を見きわめ、見えない工夫を加えながら安定した香りと品質をお客様にお届けしているのです。



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